登場人物



菅野榮子
(かんの・えいこ) 

昭和11年(1936年)生まれ 佐須地区出身
榮子さんは46年間を酪農に費やし、70歳からは夫とともに有機農業を手掛けてきた。農作業の傍ら、20年にわたって義理の両親の介護をしてきた。
一方で、地元の女性とともに加工グループを立ち上げ、
伝統的な飯舘村の食文化である「さすのみそ」「凍み餅」
凍み豆腐」などを作り、村に貢献してきた。
夫を原発事故の前年2010年6月に、義理の母親を原発事故の1カ月前に亡くす。息子が農業を継ぎ、これからは息子とともに自分のために生きようという矢先、原発事故が起こった。それ以来、現在に至るまで、榮子さんは家族と離れ、伊達東仮設住宅で避難生活を送っている。
3人の子どもと6人の孫がいる。




菅野芳子
(かんの・よしこ) 

昭和12年(1937年)生まれ 佐須地区出身
飯舘村佐須地区の榮子さんの近所に住む。榮子さんとは夫同士が親戚にあたる。原発事故直後、千葉と埼玉に住む息子たちが迎えに来て、寝たきりの母親と治療中の父親と3人で埼玉に避難する。
しかし8カ月の避難生活のなかで、父親と母親の両方を亡くす。2人の死後、福島が恋しくて帰って来た芳子さんは、榮子さんを探し、伊達東仮設住宅の榮子さんの部屋の隣に入居した。
それ以来2人で仮設住宅の近くに畑を借りて農作業をする。榮子さんと一緒に、飯舘村の伝統的な食文化を残すために全国を回っている。3人の子どもと9人の孫がいる。



スタッフ

監督・撮影  古居みずえ (ふるい・みずえ) 

1948年島根県生まれ。
アジアプレス所属。
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員。
1988年よりイスラエル占領地を訪れ、
パレスチナ人による抵抗運動・インティファーダを取材。
特に女性や子どもたちに焦点をあて、取材活動を続けている。
他にもインドネシア、アフガニスタン、アフリカの子どもたちを取材。
新聞、雑誌、テレビなどで発表。

2007年、映画『ガーダ パレスチナの詩』制作。
第6回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞受賞。
2011年、映画『ぼくたちは見た  ガザ・サムニ家の子どもたち』制作。
坐・高円寺ドキュメンタリー大賞受賞。

<著書>
『インティファーダの女たち パレスチナ被占領地を行く』(彩流社)増補版
『ガーダ 女たちのパレスチナ』(岩波書店)
『ぼくたちは見た ガザ・サムニ家の子どもたち』(彩流社)
『パレスチナ 戦火の中の子どもたち』(岩波ブックレット・岩波書店)

<写真集>『瓦礫の中の女たち』(岩波書店)


プロデューサー  飯田基晴 (いいだ・もとはる) 

1973年横浜生まれ。横浜在住。
1998年よりビデオ、テレビ等で野宿者の状況を発表。
2006年、常田高志、土屋トカチとともに映像グループ ローポジションを設立。
ドキュメンタリーを中心にさまざまな映像制作を行う。
監督作品として「あしがらさん」(02年)、「犬と猫と人間と」(09年)、
「逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者」(12年・東北関東大震災障害
者救援本部)。プロデュース作品として、DVD「『ホームレス』と出会
う子どもたち」(09年・ホームレス問題の授業づくり全国ネット)、
「犬と猫と人間と2 動物たちの大震災」(13年)。
著書「犬と猫と人間と いのちをめぐる旅」(2010年・太郎次郎社エディ
タス)。

プロデューサー  野中章弘 (のなか・あきひろ) 

1953 年、兵庫県生まれ。
早稲田大学(政治経済学術院/ジャーナリズム大学院)教授。
アジアプレス・インターナショナル代表。ジャーナリスト、プロデューサー。
80 年代よりインドシナ紛争、アフガニスタン内戦、エチオピアの飢餓、
チベット問題、台湾人元日本兵、ビルマ(ミャンマー)の民主化闘争、
少数民族の武装闘争、東ティモール独立闘争、アフガニスタン空爆などを取材。
87 年、報道規制の厳しいアジアのジャーナリストたちのネットワークであるアジアプレス・インターナショナルを設立。第3回「放送人グランプリ特別賞」受賞。
現在、早稲田大学ジャーナリズム研究所などで、ジャーナリスト教育に注力。


編集  土屋トカチ (つちや・とかち) 

1971年京都府生まれ。
1999年より映像制作を開始。同時期、現所属事務所の映像グループ
ローポジションのメンバーと出会う。
監督デビュー作「フツーの仕事がしたい」(08年)。
英国・第17回レインダンス映画祭、UAE・第6回ドバイ国際映画祭にお
いて、ベストドキュメンタリー賞を受賞。「経年劣化 3分間ビデオ集2002~201」(13年)発表。編集作品として「ヒロシマ・ピョンヤン
~棄てられた被爆者~」(伊藤孝司監督)(09年)がある。
現在、監督作「アリ地獄天国」「戦争の碑」を制作中。

整音  常田高志 (ときだ・たかし)

東映株式会社教育映画撮影部に所属した後、フリーに。
NGO「国境なき医師団日本」広報スタッフとして多数の
ドキュメンタリーを撮影。
代表作に山形国際ドキュメンタリー映画祭上映作品『大蔵村、踊る男』など。2011 年に初監督作品である映画『タケオダウン症ドラマーの物語』を完成。
日本映画撮影監督協会(JSC)会員。